No.4 (祭座新聞 第五号、2000年10月掲載)
最近人に贈り物をするとき「つまらないものですが」という人が少なくなった。
「つまらないものですが」という言葉には日本人の謙虚な気持ちが込められて
いる。もちろん、贈り物を選ぶときは”相手が喜んでくれるものを”と一生懸命
選ぶ。では、なぜそんなことを言うのか?五千円札の肖像の新渡戸稲造は
「武士道」という本の中でこう書いている − これこそあのお方にふさわしい
と思った品をお持ちするのだけれど、いざ、そのお方の前にお持ちすると差し
上げる相手があまりに素晴らしい方なので品物がつまらないものに見えてし
まいからだよ。 − 視点を変えれば、今巷にあふれる商品の方が素晴らしく
なって贈る相手よりも立派になってしまったのかもしれない。